思い出の写真やアートを金属板に刻む「写真銘板」
写真銘板とは
ブリッジワンでは色々な素材やサイズの銘板製作をご依頼いただきますが、その用途は会社看板や工業機械の識別プレート(機械銘板)が多くを占めます。
つまり名称・文章・記号などの文字や、線・ロゴマーク・イラストなどの図形を入れる場合がほとんどです。
実際みなさんもそんなイメージをお持ちだと思うのですが、
実は写真も同じ工法で銘板にできるんです。
今回は、その「写真銘板」について紹介させていただきたいと思います。
写真銘板の特徴
このあと2種類の製作方法を紹介しますが、そのどちらにも共通する特徴があります。
それは「高い耐候性」と「1色表現」です。
材質・製作方法ともに屋外使用に耐えられるものなので、雨風や陽射しにあたる場所に置いても大丈夫です。
表示は、黒または任意の1色の網点(あみてん、ハーフトーン)で表現します。
新聞紙に載っている写真をよくよく見ると、小さな点=ドットの集合でできていますよね。写真銘板もそれと同じ表現方法になります。
カラー写真のような色調や彩りは出せませんが、逆に1色ならではのシックな雰囲気の銘板に仕上がります。
写真銘板におすすめのビジュアルと用途
もちろん使う写真も用途も自由なのですが、上で書いた写真銘板の特徴を活かすなら
「長く残したいもの」×「モノトーン表現が似合う被写体」がおすすめです。
たとえば・・・
*昔の校舎や橋といったようなノスタルジックな被写体
*モノトーン、もしくはモノトーンにしても映えるアート作品
*記念写真
*肖像写真
*ウェルカムボード
*お子様の手型足型
を銘板にされてはいかがでしょうか?
銘板はビスもしくは接着で壁や台座に付けたり、額縁やフォトフレームに入れて室内で飾っておくこともできます。
オリジナル性が高いので特別な贈り物にも最適です。
「フォトエッチング」で作る写真銘板
エッチングとは、金属板を薬品によって腐食させて約0.3mmの凹凸をつけ、その凹部分に焼付塗装で色入れをする表示方法です。
1色であれば黒以外の色もご指定いただけます。
製作工程はこちらの記事で紹介していますのでどうぞご覧ください。
エッチング(腐食)銘板の製作工程をご紹介します
フォトエッチング製作例1 ポートレート
サイズ:幅178×高さ127×厚み0.8mm(写真の2Lサイズ)
参考価格:23,600円(税別)
画像解像度:350dpi
左が元のカラー画像、右が網点処理をした画像です。
網点画像を使ってフォトエッチングにしたものがこちらです。
拡大すると網点が見えますね。
エッチングは次で紹介する「メタルフォト」と比べると網点が大きく、表面には凹凸のざらつきがあります。
クラシック、レトロ、重厚、歴史的、無骨、あたたかい・・・といったようなイメージの写真におすすめです。
上の写真のようにフレームに入れて日があたる場所に長く飾っておいても、プリント写真のような色あせや劣化がありません。
フォトエッチング製作例2 案内プレート
サイズ:幅300×高さ210×厚み0.8mm(約A4サイズ)
参考価格:30,600円(税別)
画像解像度:350dpi
左が元の画像、右が文章と一緒にレイアウトをし、網点処理をした画像です。
そして、フォトエッチングで写真銘板にしたものがこちら。
このように写真と文字を組み合わせて1枚の銘板にすることもできます。
製作例は卓上サイズですが、もっと大きくしてさらに地図などを入れると掲示板や案内板といった用途でも使えます。
ステンレスとエッチングの組み合わせは耐候性が高く屋外の看板によく利用されています。
フォトエッチングはステンレスを使うことが一番多いですが、銅や真鍮でも製作可能です。(※ただし屋内使用推奨です)
明るいブラウンの銅(ブロンズ)、濃いブラウンの赤銅(しゃくどうブロンズ)、淡い金色の真鍮があります。
どれも美しい色あいで、シルバー色のステンレスとはまた違った雰囲気が楽しめます。
「メタルフォト」で作る写真銘板
メタルフォトとは、内部の銀を感光させて発色するアルミ板です。
屋外暴露で25年以上の耐候性があり、航空宇宙産業などでも使用されています。
このような特徴から計器類や機械用のプレートというイメージが強いのですが、網点が細かい、つまり解像度が高いので写真も綺麗に表示できるんです。
発色は黒1色のみとなります。
メタルフォトの概要はこちらの記事でも紹介しています。
アルフォトからメタルフォトへ
メタルフォト製作例1 ポートレート
サイズ:幅178×高さ127×厚み0.8mm(写真の2Lサイズ)
参考価格:22,800円(税別)
画像解像度:350dpi
比較のためにフォトエッチングの製作例と同じ画像で製作してみました。
左が元の画像、右が網点処理をした画像です。
メタルフォトで写真銘板にしたものがこちらです。
拡大してみると、エッチングとの違いがおわかりいただけるでしょうか?
網点が目立たず、毛並みの質感がとても滑らかですね。
メタルフォトはどちらかというとやわらかい、繊細、淡い・・・といったようなイメージの写真におすすめです。
極細線や小さい文字などもメタルフォトの方が得意です。
また、メタルフォトは塗料を使わないので表面の凹凸がなくさらっとしています。
メタルフォト製作例2 絵画
サイズ:幅127×高さ178×厚み0.8mm(写真の2Lサイズ)
参考価格:22,800円(税別)
画像解像度:350dpi
2つめは印象派の絵画で製作してみました。
左が元の画像、右がトリミング・網点処理をした画像です。
メタルフォトで写真銘板にしたものがこちらです。
このような明暗の階調がゆるやかな絵画や写真でもメタルフォトなら細やかに再現できます。
筆のタッチや柔らかな印象がよく残っていますね。
写真銘板用の画像データについて
ご覧いただいたように、写真銘板に使う画像は黒または指定1色の網点画像に変換する必要があります。変換は当社でも承りますので、カラーやグレースケール画像のままご入稿いただいても大丈夫です。
解像度は製作サイズで350dpi以上あるものですと綺麗に仕上がります。
プリント写真のみでデータがない場合は、なるべく高解像度でスキャンし画像化したものをご支給ください。(ご都合により画像化できない場合はご相談ください。)
また、1色表現は明るさやコントラストの加減によって印象が変わりやすくなります。
もし作品として明暗バランスもその表現に含む場合は、金額がかかりますが複数パターン製作されることをおすすめします。
なお、明らかに著作権に触れる写真やアートを用いた製作はおうけできませんのでご了承ください。
いかがでしたでしょうか?
写真銘板にご興味がある方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。